2024/09/18
10月に出展いたします「燕三条ものづくりメッセ2024」の開催地である「燕三条地域」のご当地情報を発信していきたいと思います。
今回は「地場産業編」
展示会のタイトルにもある「燕三条」。県外の方では「燕三条市」と思われている方も多いと聞きますが、隣接する「燕市」と「三条市」を併せた通称であり、同じ金物のまちでも少し違った発展の歴史を辿ってきたようです。
燕三条が金物のまちとして転機を迎えたのは江戸時代に遡ります。江戸時代初期、この地域の農家は近くを流れる信濃川等の河川の氾濫に苦しんでいました。そこで、元々鉱物資源や燃料となる炭に恵まれていたこともあり三条の代官奉行、大谷清兵衛が農家の副業として和釘の生産を奨励。時に江戸では震災や大火が頻発していたため和釘の需要も多く、活発な和釘の生産がおこなわれ、産業の大半を和釘づくりが占めるようになります。
江戸時代に大量生産された和釘
明治維新以降、西欧文化が広まると釘は洋釘が主流となり燕三条の金属加工業は苦境に立たされますが、和釘の生産で技術力を培った燕と三条はその苦境をバネに少し違った金物づくりに枝分かれしていきます。燕では近くにある間瀬銅山から良質な銅が採掘されたこともあり、鎚起(ついき)銅器やキセル作りが発展。三条では大工道具や打刃物など鍛冶の技術に昇華されます。その後も時代の流れに合わせ金属加工技術を向上させ、現在では燕市はスプーンやフライパンなどの洋食器、三条市は作業工具、キッチン用品、アウトドア用品などが盛んに作られ、国内外より高い評価を得ています。
大工道具(ヤスリ) 鎚起銅器 キセル
- 金属製品の写真は燕市様よりご提供いただきました。
また、これらの発展には信濃川を流通経路として燕三条の製品を全国に広め、時には他地域の製品を持ち帰り金属加工技術の発展に寄与した「三条商人」の存在も大きく関わっていると言われます。幾多の苦難を乗り越え積み上げられた金属加工技術を氾濫により苦しめられた信濃川を利用し全国に広める。燕と三条の切磋琢磨の歴史で培われた不屈の魂は現代にも根付き、「燕三条でつくれない金物はない」と言われる金物のまちに発展したことがその歴史と風土から読み解けます。
次回は、当社のお客様であり、三条市で75年以上手作りによる包丁の製造を営む株式会社タダフサ様を紹介いたします。
株式会社カトメは下記の通り展示会に出展いたします。
【展示会名】燕三条ものづくりメッセ2024
【会 場】燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市須頃1丁目17番地)
【会 期】2024年10月24日(木)~25日(金)
10:00~17:00 (25日は16:00)
【ブ ー ス】Area03多目的大ホール/小間番号03-705
入場方法等、展示会の詳細は下記の展示会特設ホームページURLよりご確認をお願いいたします。
https://tsm.tsjiba.or.jp/2024/venue/